こんにちは!クルマ好きおじさんの中年Kです。
先日のニュースで、2024年を持ってジャガーは内燃機関(エンジン)車の製造を終了すると発表されました。
ジャガーは、2025年から新しいラグジュアリータイプのEVを発売し、EV専門メーカーになるとのこと。
古くはル・マンを制覇し、直6&V12エンジンを搭載したスポーツカーや高級サルーンの名車を生み出してきたジャガー。
間違いなくガソリンエンジンの歴史を引っ張ってきたメーカーです。時代の流れとはいえ、なんとも寂しい話ですね。
今回は、このニュースからクルマとEVをとりまく環境問題・エネルギー問題について考えてみたいと思います。
今回は、少し真面目な話です。
1.性急すぎるEVシフト
今や、EVシフトは世界的な趨勢になっています。まずは、EVシフトに関する問題点について個人的な見解をお話しします。
EVシフトが法制化
世界的に「カーボンニュートラル」を謳った内燃機関からEVへの移行の流れが急速に進んでいます。
国策なのか陰謀なのか・・・はさておきヨーロッパ諸国は、ここ数年で「EVシフト」を明確にしてきており、法律でもってEVの普及を強力に後押ししています。
EVの普及の後押しをすることは構わない(好ましいとは言っていない)と思いますが、そのために内燃機関(エンジン)車の新車販売禁止を法律で規定してまでも推進することは、ちょっとやりすぎ感があります。
地球環境問題という誰もが反対しにくい錦の御旗を掲げて、半ば強引にEV推進する姿には違和感を通り越して、むしろ恐怖すら覚えてしまいます。
エンジンは悪者みたいなのだ。
EVは未完成な商品
将来的には、EVがクルマの主流になっていくのは当然理解できます。
しかし、2023年の現在においてもEVはクルマとして未完成な商品だと思っています。
バッテリーの容量と充電時間との兼ね合いから、クルマという道具としての使い勝手は、エンジン車と比べるとまだまだ未成熟な状態です。
いちユーザーとして考えると、以下のポイントが購入のネックになっています。
EVの商品力の課題
- 航続距離が短い
- 充電に時間がかかる
- 充電インフラが整備されていない
- 車両価格が高い
これらの課題のうち、価格の高さついては補助金である程度カバーはできます。とはいえ、補助金は政府や自治体の方針次第で変わる可能性があります。
一方で、航続距離と充電の問題については、まだまだ解決すべき課題といえます。
現時点のEVでは、日常利用では不便すぎることと、ユーザーに負担がかかっていることが普及という面での大きな足枷になっています。
これらの課題が改善されない限り、一般ユーザーへの普及はハードルが高いと思います。
このような現状を差し置いて、それを法律で規定してまで推進するのは、さすがに強引すぎないか?と思ってしまいます。
現状では、いわゆる意識高い系の人に向けた自己満足ツールでしかないといえるでしょう。
中年Kは、いちユーザーとしてEVは購入対象として考えられません。
まだまだ不便な乗り物というのが現実。
電力供給はどうするの?
もっと地球規模の視点で見てみると・・・
「世界中のクルマに使われている内燃機関のエネルギーを全て電力に置き換えるとしたら、その膨大な電力を供給する発電体制はどうするのでしょう?」
自動車に限らず、発展途上国の経済発展などにより世界的に電力需要は伸長しています。
その上で、さらにEV用電力の需要増に対して、太陽光発電や風力発電などの天候に左右される不安定な自然エネルギーだけで賄い切れるとは思えません。
このままEVシフトが推進されると予想される、世界的に激増するEV向けの電力需要に対する電力供給体制はどの国においても課題とされています。
まさか、中国のような稚拙で有害な旧式の石炭火力発電の増設で賄うのでしょうか?
内燃機関を廃止するために火力発電を増やして電気を供給・・・カーボンニュートラルに逆行する、もはや誰も笑えないブラックジョークでしかありませんね。
エネルギー問題は複雑なのだ。
2.EVシフトの綻び
最近では、EVシフト推進に関する諸問題がニュースになっていて、性急なEVシフトに対する綻びが見えはじめてきています。
EV墓場
最近では、中国の「EV墓場」が話題になりました。まぁ、彼の国らしいお粗末な顛末ですね。
日本でも、太陽光発電の奨励策により、メガソーラーが全国各地にできました。しかし、結果としてソーラーパネルにまつわる諸問題が各地で起きています。
EVも同様に普及を目指すだけでなく、バッテリーのリサイクルや廃棄など数十年後を見据えた両輪の対応が必要です。
しかし、廃バッテリーの処理問題などについては見過ごされがちです。
やっかいな問題です・・・
法規制も一歩後退
ここに来て、ヨーロッパ各国の内燃機関販売禁止の動きにも変化が見られます。
「禁止年度の後ろ倒し」「内燃機関の条件付き容認」を打ち出す国が出てくるなど、EVシフト後退の動きも出てきています。
あれだけ威勢よく内燃機関の法規制を掲げておきながら、舌の根も乾かぬうちに早くもトーンダウンしているようです。
そもそも法規制による性急なEVシフトという施策は、素人目に見ても現実味がない考え方です。
それどころか、その程度の知見・見識なのにノリで法規制してしまうという、ポピュリズム政治の怖さ・危うさを強く感じます。
EVシフトは、諸々の問題を先送りにしながら「結論ありき」で強引に推進しているように思えてなりません。
イケイケ・ドンドンは怖いのだ。
まるでブラック企業の営業目標??
3.現実的で冷静な議論を
このようにEVシフトをとりまく問題を考えていくと、ガソリンエンジンはまだまだ現役で残るべきと思います。
それは「エンジンの芳醇なサウンドがー!」などといったノスタルジックな感情論では決してありません。
ガソリンエンジンの役目
ガソリンエンジンは、オイルショック以降の数十年間をかけて環境性能の向上を続けてきました。
燃費も排ガス性能も法整備により劇的な進化を遂げています。
また、ハイブリッドやプラグイン・ハイブリッドの技術的な進化により、ガソリンエンジンを有効活用できる道筋がまだまだ残っていると思います。
さらに、経済面で考えると自動車メーカや下請け工場の製造設備と雇用を守るという観点から見ると、性急なEVシフトは社会的な負のインパクトが大きすぎるのではないでしょうか?。
技術の進歩と経済とのバランスを見ながら、国民の混乱を招かないようなエンジン車とEVの共存が望ましいといえます。
共存していくのが大切なのだ。
日本のとるべき対応は?
日本政府には、他国の感情的で稚拙な議論に流されることなく、冷静な舵取りをすることを願っています。
例えば、トヨタが推進している水素エンジンは、現在の製造設備・雇用の延長線上で環境対策がはかれる有効な技術だと考えられます。
これまでは「EVまでのつなぎ」と言われてきたハイブリッドも現実路線で考えると、今後も継続すべき有力な技術でしょう。
今こそ、官民連携の強化により日本(ほぼトヨタですが)のハイブリッドや水素エンジンの技術を発展させ、日本の優位性を高めるような施策を取るべきと考えます。
ヨーロッパや中国との差別化・対抗策としても非常に強力なカードになる可能性が高いと個人的には期待しています。
などと、V8スーパーチャージャーエンジンの非エコなクルマに乗りながら考えております。
最後は説得力に欠けるのだ。
クルマにも多様性が必要ですね。
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