こんにちは!オープンカーを愛する中年Kです。
今回は、現在の我が愛車「ジャガーXK」についてご紹介します。
ジャガーXKは、1996年のデビューから27年も経っていますので、もうネオクラシック(ネオクラ)の域に入ったクルマだといえます。
そんなジャガーXKについて、開発背景からデザインまで詳しく徹底解説したいと思います。
【追記】オーナー視点でのレビューもご参考に。
なんか変わったクルマなのだ。
もう、ほとんど街では見かけません。
1.ジャガーXKの開発背景
ジャガーXKは、イギリスのジャガーが経営不振のためアメリカのフォード傘下に入ってから初めて開発されたモデルです。
1975年の発売から20年を経過して旧態化していたフラッグシップクーペ・XJ-Sの後継モデルとして、1996年にデビューしました。
このモデルはX100という型式で呼ばれ、2006年デビューの2代目はX150と呼ばれます。残念ながら現在は後継モデルはありません。
初代XKは、ジャガーブランドの復興に向けてフォードの資本を使って気合を入れて開発されたクルマです。
実際に、主要マーケットであるアメリカを中心に好調な販売を記録し、1996年からの10年間の販売台数は約90,000台と、ラグジュアリークーペとしては大ヒットしました。
クーペの全盛期の時代です。
2.詳しく解説
それでは、ジャガーXKについて写真を交えながら詳しく見ていこうと思います。
デザインについて
ジャガーXKの魅力といえば、なんといってもデザインですね。
カッコいいのだ。
デビュー当初からクラシカルな雰囲気をウリにしていましたが、現在でもその魅力は色褪せていないと思います。
エクステリア
特徴的で美しいXKのエクステリア・デザインは、フェラーリの創業者エンツォ・フェラーリをして「世界一美しいクルマ」と言わしめた名車「ジャガーE-type」。
ジャガーXKのエクステリアは、このE-Typeをオマージュしてデザインされています。
美しいエクステリアは、全体的に伸びやかな曲面で構成されています。そのボディの各所にE-Typeのデザインモチーフが使われています。
XKは、長く・低いシルエットのフォルムをしていますが、現在では衝突安全対策などにより、こんなに低いボンネットのクルマは造れないそうです。
丸みを帯びたヘッドランプと口のようなグリルを組み合わせたフロントマスクが、E-Typeを彷彿とさせ他のどのブランドにも似ていない独特な雰囲気を醸し出しています。
サイドビューを見るとロングノーズとロングデッキの伸びやかなラインが目を惹きます。
ボディのどこを見てもエッジが全くない滑かな面をしていて、フロントからリアまで流れるようなラインがスムーズにつながっています。
全長は4.7mを超える大型なクルマですが、全体的に丸みを帯びているため実際のボディサイズよりも小さく見えます。
前期型では、バンパーやボディサイドの下方が丸く絞り込まれています。エレガントさを感じさせますが、大径タイヤのせいかやや腰高な印象を与えます。
これなんてクルマですか?とよく聞かれます。
インテリア
インテリアは、全体的にレザーとウッドパネルをふんだんに組み合わせた、イギリスの伝統的な仕立てをした上質な空間です。
ウッドがゴージャスなのだ。
インパネは、正面に大きな面積のウッドパネルをあしらった華やかなものです。メーター類はそれぞれ丸くくり抜かれたように独立した形になっていて、全部で大小6つのメーターが並んでいます。
前期型では、インパネの中央部に3連メーターが並んでいますが、後期型ではナビの画面が埋め込まれるようになります。
前期型のフロントシートは、ヘッドレスト一体式のやや小ぶりなものです。
コノリーレザーですが、豪華というよりは古典的な雰囲気を感じさせます。なお、後期型では通常のセダンのようなヘッドレスト別体式のシートになります。
21世紀も目前迫った90年代後半のクルマとしては、当時でもクラシカルな雰囲気でした。とはいえ、トラクションコントロールやエアバッグなど最新のテクノロジーも搭載していました。
ネオクラシカルな魅力が全開!
メカ・機能について
デザインに続いては、エンジンやサスペンションなどのメカ・機能について見ていこうと思います。
エンジン
圧倒的な静粛性と滑らかさで世界に衝撃を与えた、1989年に登場した初代セルシオ(レクサスLS)。
そのセルシオに搭載されたトヨタ「1UZ」V8エンジンをベンチマークにして、ジャガーが新たに開発したのが「AJV8」エンジンです。
この「AJV8」は、V型8気筒で排気量は4000ccです。これまで、直列6気筒とV型12気筒を搭載してきたジャガーですが、V8エンジンの搭載はこのXKが最初になります。
この後、セダンのXJなどにも搭載されていきました。
発売当時は、NAのみでしたが1999年にはスーパーチャージャーを搭載した375馬力のエンジンも追加されました。
NA版でも294馬力と十分にパワフルでしたが、先代XJ-SのV12のようにライバルのメルセデスやBMWのV12へ対抗するためにスーパーチャージャー版が追加されたようです。
ちなみに、NA版は「XK8」、スーパーチャージャー版は「XKR」と呼ばれます。
このモデルでは、電装関係がこれまでのルーカス製に変わって日本のデンソー製が採用されているので、信頼性も改善されています。
スゴいエンジンだなのだ。
パワフルですが、あくまでジェントル。
トランスミッション
トランスミッションは、トルコン型のATで前期型は5速になります。(後期型は6速)
シフトゲートは、ジャガー独自の形状をした「Jゲート」となっています。
NAのXK8はZF社製をパワフルなXKRにはメルセデス製のトランスミッションを搭載していました。
後に「ガラスのミッション」と呼ばれるなど耐久性に不安があるXK8用のZF製ミッションでは、スーパーチャージャーの強大なトルクに対応できなかったようで、XKRにはメルセデス製が選ばれています。
サスペンション
サスペンションは、XJ-Sをベースに開発されたためホイールベースは2590㎜と全く同じです。
XJ-Sで特徴的だったリアサスペンションのダブルスプリング&ショックは、XKではシングルに簡素化されるなど大きく改良されています。
XJ-Sはツーリングカーレースのベース車両になっていましたので、XKの開発にもレース現場からのフィードバックがされていたのかも知れません。
基本設計は古いものですが、全面的に改良されていて近代化されました。
また、XKRにはCATS(キャッツ)という名称の電子制御サスペンションも装備されています。
タイヤは、NA版が17インチでスーパーチャージャー版が18インチという(当時としては)かなり大径なタイヤを古い基本設計のサスペンションながら履きこなしていました。
最終的には純正でも20インチまで大径化されています。
快適性を重視した足回りです。
主要スペック
■年式:1999年
■エンジン:V型8気筒DOHC+スーパーチャジャー
■排気量:3996cc
■最大出力:375PS(276kw)/6150rpm
■最大トルク:53.5kgm(524.7Nm)/3600rpm
■車体寸法:4770㎜×1850㎜×1305㎜
■ホイールベース:2590㎜
■車重:1780kg
■駆動方式:FR
■変速機:5速AT(トルコン式)
■サスペンション:F ダブルウィッシュボーン
R ウィッシュボーン
■タイヤ:F 245/45-18
R 255/45-18
■車両価格:1,255万円(当時)
改めて書くとすごいスペックです!
以上、ジャガーXKを見てきましたが、いかがでしたでしょうか?
今となっては、とても貴重なクルマですので大切に乗り続けたいと思います。今後は、インプレッションや使い勝手、トラブルの記録などについてもブログでご紹介していきます。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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