こんにちは!中年Kです。
ジャガーXK(X100型)のデビューは1996年なので、2023年の現在ではもう27年前になります。
現代のGTカー・スポーツカーは、エンジンのダウンサイジング・ターボ化が進んでいて、2000cc+ターボで380PS!という感じなので、排気量だけで車格を判断するのが難しくなっています。
このため、ジャガーXKというクルマがどういうポジショニングだったのか?イマイチ分かりにくい気がします。
今回は、2000年前後に販売された当時のライバル車とスペックを比較しながら検証してみたいと思います。
ジャガーXKの実力を探るのだ。
XKを知ってもらえると嬉しいです!
1.はじめに
今回は、2000年前後に製造・販売されていたGTカーやスポーツカーたちと比較してみます。
当時は、まだまだ大排気量・マルチシリンダーのエンジンが元気な時代でした。
ジャガーXKのライバルとして、6台のスーパーカー・GTカーをピックアップしてみました。
車名 | エンジン形式 | 排気量 | 最高出力 | 最大トルク | 新車価格 (税込) |
ジャガー XKRコンバーチブル | V8 スーパーチャージャー | 4000cc | 375PS | 53.5kg/m | 1255万円 |
メルセデスベンツ SL500 | V8 | 5000cc | 306PS | 46.9kg/m | 1280万円 |
BMW 645Ci | V8 | 4400cc | 333PS | 45.9kg/m | 1000万円 |
ポルシェ 911ターボ | 水平対向6 ターボ | 3600cc | 430PS | 57.0kg/m | 1680万円 |
マセラティ 3200GT | V8 ターボ | 3200cc | 370PS | 50.5kg/m | 1100万円 |
フェラーリ 456 | V12 | 5500cc | 442PS | 56.0kg/m | 2690万円 |
アストンマーチン DB7ヴァンテージ・ヴォランテ | V12 | 6000cc | 420PS | 54.5kg/m | 1620万円 |
それでは、詳しく比較していきます!
2.ライバル車と比較してみた
まずは、今回の主役・ジャガーXKの概要について見ていきます。
ジャガーXKR コンバーチブル
ウチのジャガーXKは「X100型」と呼ばれるモデルで、1996年~2006年まで製造されていました。
先代モデルであるジャガーXJSの後継モデルとしてデビューした、流麗なデザインが特徴のラグジュアリークーペ。そのオープンモデルがコンバーチブルです。
XKでは、長年ジャガーを支えてきた直6とV12エンジンを一新し、新開発のV8エンジン「AJ-V8」を搭載したことが話題になりました。
セルシオをベンチマークにしたとされるAJ-V8エンジンは、静かでスムーズかつパワフルですが、さらにスーパーチャジャーをぶっ込んだのが、このXKRなのです。
当時のGTカーとしては、破格のエンジンパワー・トルクを誇っていました。
ジャガー XKR コンバーチブル(1999年式)
■エンジン:V型8気筒
■排気量:3996cc+スーパーチャージャー
■最高出力:375PS/53.5kgm
■価格:1255万円(当時)
まあまあスゴいヤツなのだ。
メルセデスベンツ SL500(R230)
クルマの性格は真逆だけど、ジャガーXKのガチのライバルといえば、まずはSLが挙げられます。
このR230型SLは、X100型XKよりも少し新しい世代のモデルになります。
V8・5リッターエンジンを搭載するSL500は、エンジンパワーはXKRには少し劣りますが、価格的にもまさにがっぷり四つのライバルといえます。
両車のイメージとしては、華麗・流麗なジャガーXKに対して、SLは硬派・精緻といった感じでしょうか?
この世代のメルセデスは、内外装ともにデザインは丸みを帯びた柔らかいラインが多用されていて、意外にも優しいイメージを醸し出しています。
このSL500の上のグレードには、SL600やSL55AMGといった500PSを誇るモンスター・マシンも控えており、モアパワーを求める猛者達の要望にも応えていました。
メルセデスベンツ SL500(2001年式)
■エンジン:V型8気筒
■排気量:4965cc
■最高出力:306PS/46.9kgm
■価格:1280万円(当時)
私もXKとSLを比較検討しました。
BMW 645Ci(E64)
XKのライバルは車格的には8シリーズだと思いますが、基本設計が古いため6シリーズを比較対象にしました。
X100型ジャガーXKのライバルになるのは、2003年にデビューしたE63型の6シリーズです。このオープン版はカブリオレ(E64)と呼ばれます。
6シリーズといえば「世界一美しいクーペ」と呼ばれた635CSi(E24)が有名ですが、この世代のBMWはデザイン・コンセプトが大きく変わった時期でもあります。
これ以前のBMWは、メルセデスに比べると低く伸びやかなプロポーションをしており、7シリーズなどはジャガーXJのライバルに相応しかったという記憶があります。
E63型6シリーズは、E24のようなクーペらしい優雅さはあまり感じません。どちらかといえば、セダンの2ドア版のような質実剛健なデザインをしています。
いわゆるビジネスマン・エクスプレスとしてアウトバーンをハイスピードかつ快適に長距離移動するような性格のクルマなのかな?と思います。
BMW 645Ci(2003年式)
■エンジン:V型8気筒
■排気量:4389cc
■最高出力:333PS/45.9kgm
■価格:1000万円(当時)
この世代は優雅さがないのだ。
ポルシェ 911ターボ(996)
X100型XKとは、996型911が世代的にはほぼカブっています。
エンジンスペックで見ると、排気量が小さいながら911の方がパワフルです。さすが、スポーツカーとしての気合いを感じます。
一方で、911の内装はデザインも仕上げも素っ気なく、クラシカルかつゴージャスな雰囲気のジャガーXKには足元にも及びません。
ジャガーXKが高速道路などをゆったり流すクルーザー的なラグジュアリークーぺだとすれば、911はエンジンを回してハンドリングを楽しむスポーツカーに近いGTカーだといえます。
このように、この2台はスペック以上に正反対のキャラクター性を持ったクルマだといえるでしょう。実際に、この2台を購入の比較対象としている人は少ないと思います。
一方で、両車とも自社ブランドの名車(356やE-Type)のメカニズムやデザインを継承しているという点に共通項を強く感じます。
ポルシェ 911ターボ(2000年式)
■エンジン:水平対向6気筒
■排気量:3600cc+ターボ
■最高出力:430PS/57.0kgm
■価格:1680万円(当時)
これは別モノですね・・・
マセラティ 3200GT
マセラティは、80年代以降の不遇の時代を生き抜いて復活したブランドという点が、アストンマーチンとの共通点を感じさせます。
ジウジアーロデザインのエレガントなクーペらしいデザインで1998年に誕生したのが、このマセラティ3200GTです。
デザインは、シンプルな造形ながら低いフロントグリルやブーメランテールなどのディテールで強烈な個性を放っています。
80年代の「ビトゥルボ」からいつまでも脱却できなかったマセラティの新世代を飾るモデルになりました。
内装は、シートやダッシュボードなどレザーをふんだんに使ったゴージャスなもの。また、センターコンソールにあるお約束のアナログ時計が、マセラティの様式美を彩っています。
エンジンは、基本的にビトゥルボものと同形式のツインターボです。当時の乗用車ベースのクーペとしては、最高レベルのパワーを誇っていました。
この後に登場したマセラティ・クーペからフェラーリのエンジンを搭載するようになります。
見た目はラグジュアリーで、エンジンサウンドは獰猛というキャラクターは、現行モデルにも受け継がれています。
マセラティ 3200GT(1998年式)
■エンジン:V型8気筒
■排気量:3216cc+ツインターボ
■最高出力:370PS/50.5kgm
■価格:1100万円(当時)
XKとは影のライバルなのだ。
フェラーリ 456
少々、場違いな感じもしますが、フェラーリとも比較してみます。
当時、V12エンジンを積んていたのは、4シーターの456と2シーターの550マラネロになります。
ジャガーXKのライバルとして考えてみると4シーターの456でしょうか?
456の内装は、当時の素っ気なくシンプルなフェラーリとしては、ラグジュアリーな仕立てになっています。
スペックを見ると、さすがに超高回転型NAエンジンなので馬力は大差がついていますが、最大トルクはあまり差がありません。
NAとスーパーチャージャーというエンジン特性がそのまま現れているようです。
現在のフェラーリは3000万円超も珍しくないので、価格が2690万円というのは安いと錯覚しがちですが、当時の価格としては飛び抜けています。
やはり、フェラーリは別格なブランドだといえますね。
フェラーリ 456(1998年式)
■エンジン:V型12気筒
■排気量:5473cc
■最高出力:442PS/56.0kgm
■価格:2690万円(当時)
ライバルというにはムリがあります。
アストンマーチン DB7ヴァンテージ・ヴォランテ
最後に、同じイギリスというか従兄弟のような関係のアストンマーチンDB7と比較してみます。
ジャガーXKの先代にあたるジャガーXJSをベースにして、その後継車として1980年代後半に開発された幻のモデルに「XJ41」というクルマがありました。
当時の両社の親会社であったフォードの意向もあり紆余曲折の結果、XJ41をモデファイして誕生したモデルがアストンマーチンDB7です。
先に、アストンマーチンDB7とジャガーXKとは従兄弟のような関係だと表現したのは、このような背景からです。もしかすると「先代」「後継」という関係の方が正しいかも知れません。
1994年のデビュー当初のDB7は、ジャガーXJSの直6エンジンを積んでいました。
その後、1999年に登場したヴァンテージには、フォードのV6エンジンをベースに新たに開発されたV12エンジンを搭載して、パワフル&ゴージャスに進化しました。
基本設計やデザインは、80年代テイストが残るやや古い臭いものですが、ハンドメイドの内装仕立てなどはジャガーXKよりもゴージャスな雰囲気になっています。
ちなみに、ヴォランテとはオープンモデルの呼び名です。
アストンマーチン DB7ヴァンテージ・ヴォランテ(1999年式)
■エンジン:V型12気筒
■排気量:5935cc
■最高出力:420PS/54.5kgm
■価格:1620万円(当時)
DB7とXKは深い関係なのだ。
3.おわりに
ジャガーXKのライバルとの比較はいかがでしたでしょうか?
当時の名だたる高級GTカーやスーパーカーと比較してみましたが、スペック的には結構いい線いってる感じがします。
これは、もはや準スーパーカーといえるんじゃないか!!と勝手に認定しています。
準スーパーカーとはいっても、ジャガーXKはエンジンを回してカッ飛ぶようなクルマではありません。あくまでパワーの余裕を活かしてゆったりと優雅にクルージングを楽しむという性格のクルマだと思います。
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優雅さはピカイチなのだ。
これからも大事に乗っていきます!
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