こんにちは!クルマ好きおじさんの中年Kです。
我が家の愛車・ジャガーXKRコンバーチブルは1999年式なので、もう車暦25年という立派な旧車です。
クルマに詳しくない人からすると「え!そんなに古くて大丈夫?」などと心配されがちです。
しかし、実際に旧車を所有してみると、さすがにノートラブルというわけには行きませんが意外とフツーに使えています。
それよりも現代のクルマにはない味わいや特徴を持っているので、満足度の高いカーライフを送ることができます。
今回は、中年Kの経験を踏まえて旧車との付き合い方についてご紹介したいと思います。
旧車を買いたいけど一歩が踏み出せない人の参考になれば幸いです。
旧車は怖くないのだ。
経験に基づいたお役立ち情報です!
1.旧車とは?
旧車にはさまざまな呼称があります。最近では、ちょっと古いクルマのことをネオクラ(ネオ・クラシック)やヤングタイマーなどと呼ばれています。そこで、旧車の呼び方と定義について調べてみました。
旧車の定義
まずは、旧車・クラシックカー関連用語をまとめてみました。
FIVA
クラシックカーの公道ラリーを主催するFIVA(Fédération Internationale des Véhicules Anciens)の定義によると製造後25年が基準になっているようです。
JCCA
日本のクラシックカー団体のJCCA(日本クラシックカー協会)が主催するクラシックカー・レースの車両規定によると1975年までに生産された車両およびその同型車に限りまでに生産された車両と定められています。
谷保天満宮旧車祭
2023年の参加規定による1999年以前に製造された車両となっていました。
新しいカテゴリー
続いては、新たに普及した用語・カテゴリーについて見ていきます。
ネオクラ
こちらは、前述の通り最近出てきた造語ですね。ネオクラとはネオ・クラシックの略語で、主に80-90年代に製造されていた車両を呼称することが多いです。
参考までにWebカートップの記事によると1980年代以降の車両と書かれています。
ヤングタイマー
こちらも最近よく耳にする用語です。日本自動車会議所の記載によると1980年代から2000年代初頭に生産された車両となっています。
アメリカの法律
映画「ワイルド・スピード」のヒットもあり、アメリカでも日本のネオクラ車(R34スカイラインなど)の注目度が上がっています。いわゆる「25年ルール」により、右ハンドル車の輸入・使用が可能になることが日本車の旧車ブームを後押ししています。
高嶺の花のクラシックカーよりも比較的新しいネオクラ車であれば入手・維持のハードルが下がるので注目されてきているのかな?と思います。
とはいえ、R34スカイラインなど一部の国産ネオクラ車は、海外需要の高まりとともに価格が急騰していて手の届かない存在になっていたりします。
呼び方はそれぞれなのだ。
2.旧車って壊れるの?
みなさんが旧車と聞いて心配になる点はメンテナンス・修理とそれも含めた維持費ではないかと思います。
日本では、昔の車検制度の影響から10年経つとすごい古いクルマのような印象を持たれていますが、クルマを10年20年維持することは機械的にはそれほど大変ではないと考えています。
消耗品は交換すればOK
中古車に限った話ではありませんが、クルマを使っていれば何かしらのトラブルは発生します。
何を持って「壊れた」と捉えるかは人それぞれですが、パーツの経年劣化に伴う交換であれば、それは壊れたとはいわないと考えています。
消耗品とは、エンジンオイルや冷却水をはじめゴムパッキンやホース、ブレーキパッドなど定期的な交換を前提にしているパーツです。
これらのパーツの劣化を起因としたトラブルは避けようがないので仕方がないと諦めるしかありません。(お財布事情やメンタル的なダメージは別として)
旧車において消耗品のトラブルはロシアンルーレットのような運なのだと割り切りが必要です。
なんなら「このパーツは今後10年は交換しなくても良くなったな」くらいのポジティブ・シンキングでいきましょう!
仕方ないトラブルもあります。
もちろんリスクもあります
確かに、ネオクラ車・旧車は、古いクルマなので国産の新車とは異なり、半端な覚悟では持てないというのも事実です。
消耗品ではなくクルマの根幹であるエンジン下ろしとかミッション交換、ボディ腐食といった重整備や長期入院を伴うトラブルもありえない話ではありません。
こういった重整備を伴う場合は、治せる主治医がいるか?維持できる財力があるか?などの事情を鑑みて、断腸の思いで手放す決断も必要になってきます。
もちろん、レストアできる覚悟や財力がある人であれば、貴重な旧車をきちんとケアすべきです。もう手に入らない貴重なクルマを末長く所有することはプライスレスな価値があると思います。
いろんな意味で余裕が必要なのだ。
3.注意すべきパーツとは?
最近のクルマは、コストダウンや軽量化を推進しています。CAD(デジタル設計)の進化により、軽量化しつつも耐久性を損なわないように造られていますが、耐久性を犠牲にしている部分もあると思います。
ネオクラ車と呼ばれる1980年代あたりのクルマは現代車への進化の過渡期にあるため、クラシックカーとは異なる部分で注意すべきポイントがあるように思います。
プラスチック・パーツ
1980年代以降のクルマは、軽量化やコストの面からパーツ類にプラスチックが多用されています。
古プラスチック・パーツは、紫外線や加水分解などの経年劣化による破損のリスクが大きくなります。
さらに、国産車であれば製造終了後10年以上経ったモデルはメーカーからのパーツ供給がなくなるという問題も出てきます。
一方で欧米の場合は、古いクルマのパーツ供給体制が日本よりも長くフォローしている場合が多いように思えます。
私の愛車・ジャガーXK(1996〜2006年製造)のケースでは、未だに純正パーツの供給が続いています。(一部パーツを除く)
プラスチックは破損すると修復が難しくワンオフ製作が難しいので、金属などの代替パーツを手作業で製作する必要があります。そのため、プラスチック・パーツの修理(復元)には手間と費用がかかります。
最近では3Dプリンターの普及もあるので、需要のある車種であればプラスチック・パーツの製作・供給をしているケースもありますが、レア・ケースと捉えた方がいいでしょう。
プラの劣化は少々やっかいですね。
電子制御パーツ
こちらも1980年代くらいからエンジン制御や快適装備などに電子制御パーツが採用され始めます。
2000年代に入ると電子制御はあらゆる部分に関わるようになり、ブラックボックス化が進んでいます。
現代車は、ちょっとした故障・不具合でもディーラーでは手に負えず、コンピューターやセンサー系はアッセンブリー交換となってしまい修理費用も高騰しています。
新車のうちは問題ないとしても5年10年・・・と経過するにつれ、現代車といえども修理費用は安くはないのが実情です。
一方で、電子制御の黎明期であるネオクラ車は、アッセンブリーではなく制御ユニットや電子基盤ごとに交換や修理が可能です。
旧車では制御ユニットのパーツ供給の問題は残りますが、まだ複雑化・高度化する前の制御ユニットであれば電子基盤のオーバーホールという選択肢も残されています。
とはいえ、電子基盤のオーバーホールには特殊技術が必要なので、主治医の整備工場に電子系のノウハウがあるか外注できるネットワークの有無も旧車の維持においては重要なポイントになってきます。
電子系もやっかいなのだ。
4.維持に大切なこととは?
これまでの記事を見た人によっては「旧車ってやっぱ壊れるじゃん」と思われるかも知れません。
しかし、アナログな要素が残る旧車だからこそ、うまく付き合える可能性もあります。
パーツ確保ができる主治医
これまで述べてきたように、クルマというものは大なり小なり壊れます。
大事なのはクルマが壊れないことを祈るのではなく、適切な処置ができるかどうかです。つまり、きちんと修理できる主治医の存在が旧車の維持には欠かせません。
旧車の維持におけるもうひとつ大事なのは、交換・修理のためのパーツの確保です。
クルマの修理には技術・経験が必要なことはもちろん重要ですが、その前にパーツがなければ成り立ちません。
日本車は、製造終了後の何年間はパーツの供給を義務付けられています。法令ではなく商慣習のようですが、製造終了後10年くらいであればパーツの入手に困ることはないでしょう。
逆にいうと、車暦20年以上前のネオクラ車になってくるとパーツ供給には不安が残ります。ネオクラの域になると国産車でもパーツが手に入らないというリスクがあります。
外車の全てがそうだとは思いませんが、少なくともジャガーXKはパーツの心配が少ないです。といいたいところですが、海外のパーツを取り寄せられるノウハウやネットワークがある販売店・修理工場はレアな存在です。
旧車ライフで肝心なのは、修理とパーツ確保ができる主治医の存在がいるかどうかがカギになります。
私の主治医は、ジャガーXK・X100を専門的に扱っているレアな販売店なので、世界中から新品&中古パーツを取り寄せてくれるので安心です。
いい主治医との出会いが必須ですね。
日本のクルマ文化の未熟さ
ある意味、旧車の維持の最大のハードルは、日本の政府とクルマ文化にあるかもしれません。
声を大にしていいたいのは税制の改悪についてです!
車暦13年を過ぎると毎年かかる自動車税が加算されます。さらに車検時に徴収される自動車重量税も13年・18年経過で加算されるという仕組みです。
これは、政府が「古いクルマは捨てて新しいエコカーを買え!」といっているようなものです。
自動車工業会との兼ね合いやSDGsのアピールなど大人の事情もあるのでしょうが、古いものを大切にするという日本人の美徳に反していると強く思います。
そもそもEVには懐疑的な面も多くあるので拙速な施策だと個人的には感じています。
日本という国自体がクルマ文化と長くクルマを乗れるような環境がまだまだ未成熟であるといえますね。
旧車が親しみやすくなるといいですね!
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