こんにちは!分不相応なジャガー乗り・中年Kです。
今回もみんな大好きメンテ・トラブルのお話です。
愛車「ジャガーXKRコンバーチブル」は1999年式なので、すでにネオクラ・旧車の部類に入ります。残念ながら消耗品の劣化によるトラブルは避けられないのが現実です。
みなさんは「中古のジャガーのオープンカーなんて壊れないの?」という疑問をお持ちかと思いますが、その辺りについても触れてみたいと思います。
この記事が、ネオクラ・旧車の購入を検討されている方への参考になれば幸いです。
古いクルマはなんとなく心配なのだ。
原因が分かれば大丈夫です!
1.初トラブル発生!
2020年6月に購入し、1年以上ノートラブルで過ごしましたが、ついに2021年8月に遭遇した初トラブルについてご紹介します。
1年間はノートラブル
2021年6月に実施した1年点検も無事に完了し、快調さを維持していたジャガーXKRコンバーチブル。
オープンドライブが楽しかったので、この1年間で約11,000kmも走ってしまいました。今思えば、急に無理をさせていたのかも知れません。
実際、この時までの1年間で掛かったメンテナンスは、エンジンオイル+エレメント交換のみでした。
古いクルマでも専門店で納車時にきちんと整備すれば問題なく乗れます。
「ジャガーも意外と壊れないなぁ」などと思っていた、2021年8月のある夏の夜に事件は起こりました。
丈夫なおじいちゃんなのだ。
オイルシャワーに打たれて
M師匠は、会社からいつものようにオープン走行で帰宅しようとしました。
クルマに乗り込みエンジンをかけ、ルーフのスイッチを入れたところ、カーテシーランプ(ルームランプ)の所からオイルがダダ漏れ!!
ルームランプが緑色に見えますが、これはルーフを作動させるオイルの色です。
明るいところで見るとこんな感じです。
すぐにルーフをクローズしたので、なんとかルーフの開けっぱなし状態になることだけは回避できましたが、オイルはどんどん垂れてきます。
とりあえず、大量のティッシュで養生しました。
こうして見るとけっこうな惨状ですが、大丈夫なんでしょうか??
ついにきたか!という感じです。
2.ラッチホース交換
この症状から、ルーフの前端を自動ロックするラッチシリンダーを操作する油圧ホースの破損というのはすぐに分かりました。
ルーフ前端を固定・ロックするフックの動作を司るのがラッチシリンダーです。シリンダーと油圧ホースは、このフックの下の空間内に装備されています。
油圧ホースが劣化するとシリンダーとの接続部付近からオイルが漏れ、車内へとオイルが流出します。
この症例自体は頻発するものではありません。確かに、20年も経てばホースが劣化するのは当然で、こうなるのは運の問題といえるでしょう。
見た目的には大惨事ですが、原因がわかっていて治せることが分かれば、不思議と安心できるものです。
原因が分かれば安心です。
パーツ不足の影響?
早速、主治医の販売店に連絡すると、ラッチホース(油圧ホース)は在庫がないためオーダーをかけるとのこと。
こちらの販売店は、独自ルートで海外からパーツをリーズナブルに手配できるのが強み。もちろん、国内の純正パーツの入手も可能で、症例やケースに合わせて中古パーツや社外パーツなども適材適所で提案してくれます。
あいにく、ラッチホースの純正パーツは海外にも在庫がないとのこと。当時は、コロナ禍の影響で世界的なパーツ不足の最中だったので、その影響かも知れません。
次善策として、アメリカ製の社外品のラッチホースを取り寄せてくれることになりました。
そのメーカーは、ポルシェやフェラーリなどの高級オープンカー向けの強化パーツをリリースしているメーカーとのこと。
余計なことの代償
オイルが抜け切ったところで、カーテシーランプごと外してオイルを拭こうとしたところ、外し方が悪かったのかルーフに固定するブラケットが割れてしまいました。
このままではカーテシーランプがグラグラしてしまうので、ガムテープや養生テープで固定します。
なんともみすぼらしい姿です・・・。
油圧ホースの取り寄せに2〜3週間ほどかかるとのことなので、しばらくはこのまま乗るしかありません。
オープン走行はできませんが、走行自体は問題ないので特に不便は感じませんでした。とはいえ、メンタル的にはブルーな時間を過ごすことになりました。
いずれにしても素人は余計なことはしない方がいいでしょう。
なんだかボロく見えるのだ。
無事に交換完了
販売店からパーツ入荷の連絡があり、クルマを預けました。
交換作業は、ラッチシリンダーと油圧ポンプにそれぞれ油圧ホースの両端を繋げるだけなので簡単そうに思えます。
しかし、油圧ホースは油圧ポンプのあるトランク内から床下を通ってルーフへと繋がる構造のため、シートやカーペットなどの内装の大半を取り外す必要があり、まあまあ大変な作業らしいです。
ちなみに油圧ホースは6mも長さがあるそうです。
こんなに大仰な取り回しだったら、フロントのラッチは油圧式じゃなくて、ソレノイドの電磁式でもいいんじゃない?と思ってしまいます。
ともかく、油圧ホースの交換は完了しました。
新品の油圧ホースは黒い塩ビの被膜で覆われていますが、劣化したホースはその被膜が剥がれています。
この写真は油圧ポンプですが、今回交換した油圧ホースは赤い丸で囲ったものです。ホースの表面が黒い皮膜で覆われているのがわかります。
一方、まだ交換していない油圧ホースを黄色い丸で囲いましたが、黒い被膜が劣化で剥がれ落ちている様子がわかると思います。
20年も経つとこんなに劣化するのだと目の当たりにすれば、今回のトラブルも諦めがつくものです。
よく20年も持ったな、ともいえます。
3.閉まらない夏
ホースの交換作業が終わって、ジャガー帰ってきました。
これで一見落着!とはいかないようです。なぜか今までなかった別のトラブルが発覚しました。
半自動ルーフ化
本来は完全自動でロックまで閉まるルーフが完全に閉まらなくなってしまいました。
通常は、ルーフ前端にある金具をラッチ側で引っ張ってロックするのですが、ルーフの前端が閉まりきらないないため自動ロックが作動しないような状態です。
写真の状態からあと数㎜も下がれば、フックが作動してルーフを引っ張って閉まるのですが・・・。
仕方ないので、手でルーフを押し下げるサポートをします。
すると、フックが下がりルーフを引き込んでカチャっとロックされ、ルーフのクローズが完了します。
原因はわかりませんが、恐らくルーフのフレームが微妙に歪んでいるか、左右にある後部のシリンダーのバランスが狂っている、シリンダーやポンプのパワー不足・・・などの要因が考えられるとのこと。
根本的に直すとしたら、幌を外してフレームを分解するなどして細かくチェックする必要があり、時間も費用もかかってしまいます。
残念ながら、今回は完治には至りませんでしたが、手でサポートすれば問題なくルーフは閉まるので、しばらく様子見ですね。
今回の件は、そもそもコンバーチブルでなくクーペなら起こらないトラブルということは考えないことにします。
トラブルがいたちごっこなのだ。
ネオクラ車との付き合い方
中古車に限った話ではありませんが、クルマを使っていればトラブルやメンテナンスは発生します。
個人的な見解ですが、オイルや冷却水、ゴムパーツなどの消耗品に起因するトラブルは仕方ないと考えています。
今回のトラブルは見た目は悲惨でしたが、原因は油圧ホースの劣化というごく当たり前のことでした。
そういう意味で、冒頭の疑問への答えはYESでもありNOでもあり、「消耗品の交換は仕方ないけど、そうそう壊れないよ!」となります。
トラブルとうまく付き合いましょう!
今回の記事を読むと、なかなかハードルが高いように感じられるかも知れません。
ただ、事実としてジャガーXKは普段のアシとして問題なく使えているのです!
以上が、今回のトラブルの顛末になります。これまでの記事に比べるとリアルかつハードな内容だったかも知れません。
ジャガーやネオクラ・旧車に乗っている人、購入を検討している人にとって参考になったでしょうか?
おじいちゃんは手がかかるのだ。
頑張って維持していきます!
最後までご覧いただきありがとうございます。
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