こんにちは!折りたたみミニベロ乗りの中年Kです。
今回は、私が17年以上乗り継いでいるダホン製自転車でショッキングなニュースがあったので取り上げてみます。
フレームの破断は重大な事故につながる事案です。この記事では、その予防・対処について解説したいと思います。
みなさんの安全な自転車ライフにつながれば幸いです。
走行中に折れるのは危険なのだ。
ニュースについて掘り下げてみます。
1.ニュースの概要
先日、ダホン製「ホライゾ・ディスク(Horize Disc)」という折りたたみ自転車のフレームが破断する事故があり、商品を回収するというニュースがありました。
ポイントは、折りたたみ自転車で心配されるヒンジ部の不具合ではなく、溶接部分の不具合によりフレームが破断したというものです。
ニュース画像を見るとフレームがポッキリと二つに割れています。乗っていた方はこのせいでケガをしたとか。
【参考】国民生活センターのサイト
こわいニュースなのだ。
2.フレームと溶接について
自転車は、ブレーキやクランク、ディレーラー、サドル・・・さまざまなパーツで構成されています。その多くは、規格に合わせた汎用パーツが組み合わせられるようになっています。
一方で、フレームは各メーカーが独自開発・製造という場合が多く、フレームはメーカーの独自性や技術力の差が現れるパーツといえます。
ダホンも自社でフレームを製造しています。独自の折りたたみ機構など開発・製造の技術力には定評のあるメーカーです。
今回のフレーム破断というショッキングな事故は、フレームの溶接部が製造時の不具合による溶接の甘さから破断したとのこと。
一般的にフレームの溶接にはTIG溶接という技術が使われています。
現在の自転車のフレーム材質には軽くて丈夫なアルミ製が主流です。そのアルミはスチールよりも溶接部の強度が弱くなるといわれてています。
折りたたみ自転車に限らず、ほとんどの自転車のフレームにも溶接が使われています。
写真は、ビアンキ・フレッタのメインフレームとヘッドチューブの接合部分です。
折りたたみ機構と関係なく、どの自転車でも該当する箇所になります。
つまり、今回のニュースは、折りたたみ機構の有無とは関係なく、すべての自転車に関わる問題だといえます。
溶接強度の問題はすべての自転車の問題です。
3.フレームを点検しよう!
今回のニュースからの教訓として、自転車のフレームで注意することについてお話しします。
フレームの点検
一般的には余程のことがない限り、いきなりフレームがポッキリ折れることは考えにくいです。
ポッキリと折れてしまう前に必ず兆候や小さな原因があるはずです。
溶接部分に小さなキズやヒビが入った状態で長く乗っていると、走行中の振動や荷重などのストレスがかかり小さなヒビが徐々に広がっていくと考えられます。
ちょっとした異常に早く気づけば良いのですが、人間の感覚は慣れてしまうので徐々に変化するケースでは気づかないので、目視による点検が大切になってきます。
なかなか面倒かもしれませんが、フレームも含めて一年ごとの定期点検をオススメします。
定期点検は大事なのだ。
折りたたみ機構について
ダホンなど一般的な折りたたみ自転車は、メインフレームを二つに折るタイプを採用されています。
折りたたみ部はヒンジ機構になっており、この部分のガタつきも注意すべきポイントです。
ダホンのヒンジ部分はダイキャスト製でしっかりと嵌合(かんごう)する構造になっているので耐久性は高いといえます。写真は、15年経ったダホン・エスプレッソのヒンジです。
ヒンジ部のガタつきもなく、フレームとの溶接部もヒビ割れもなくしっかりしています。ダホンは溶接部も含めて丁寧な作りで耐久性も高いといえます。
今回のニュースは信じられない、というのが偽らざる気持ちです・・・。
TIG溶接は手作業のため、作業員の熟練度や溶接時の条件(温度やガス濃度)による製造時のバラツキなのかな?と考えられます。
一方で格安の折りたたみ自転車は、ヒンジ部分の構造がドアの蝶番のように鉄板の折り曲げ加工で出来ているものが多くあります。
このタイプは、溶接部の耐久性だけでなく、ヒンジ部のガタつきにも注意する必要があります。ヒンジ部がガタつくことで、フレームに余計なストレスが掛かるので耐久性にも影響があります。
もし、塗装の剥がれや小さなヒビといった気になる箇所が見つかったなら、ショップに持ち込んでプロに点検してもらうことをオススメします。
プロに診てもらえば安心なのだ。
今回は、ダホンのリコール問題をきっかけにして自転車のフレームについて考えてみました。
みなさんもフレームの溶接部分に注目して、自転車の状態をチェックしてみてはいかがでしょうか?
定期的に点検を実施しましょう!