こんにちは!クルマ好きおじさんの中年Kです。
今回は、2023年12月10日に開催された「谷保天満宮旧車祭」のイベント・レポートになります。
今から115年前の明治時代に「遠乗会」というクルマのツーリングイベントがあったそうです。その時の終着点がこちらの谷保天満宮だったという縁から、やや場違いな神社の境内というロケーションで旧車祭が行われています。
去年は、YouTubeでお馴染みの「中年と中古車」が取材に来ていたようです。
古いおともだちが集まるのだ。
久しぶりのクルマ・イベントです。
1.いざ谷保天満宮へ!
普段はお目にかかることがないようなクルマがたくさん見られるので、前日からテンション高めで朝を迎えました。
また、この日の早朝には大谷翔平選手がLAドジャースと契約というニュースが飛び込んできました。
早速、ドジャースのキャップを被って、気合を入れて愛車ダホン・ボードウォークで出陣します!
谷保天満宮は、JR中央線・国立駅の南から2kmほど離れた甲州街道沿いにあります。最寄駅はJR南武線・谷保駅で、徒歩でもアクセス可能です。
昨年末の代官山モーニングクルーズ以来のクルマのイベントになります。
クルマのイベントに自転車で行きます!
2.旧車レポート
当日は、190台を越える旧車たちが集まったとのことす。参加車は、3つの会場に分かれて展示されていました。
谷保天満宮
まずは、メイン会場の谷保天満宮(第三会場)から、個人的に気になった旧車たちをご紹介していきます。
タクリー号
前述の「遠乗会」に走っていたというクルマのレプリカです。
地元企業などの協賛を受けて制作されたようです。もうこのイベントの守護神のような存在ですね。
ナンバーの「1908」は、遠乗会の開催年にちなんでいます。
このタクリー号は、普段でも谷保天満宮の境内に展示されていて見学することもできます。
シトロエン・DS
旧車イベントには欠かせない存在です。こちらは後期型ですが、DS自体は1955年デビューのモデルです。
今見ても1950年代の車とは思えないほどの前衛的な空力デザインとハイドロニューマチック(油圧サスペンション)などの先進設計が特徴のクルマです。
室内を覗いてみるとシートも綺麗にレストアされています。
後期型なのでボビン式メーターじゃないですが、そのほかの一本スポークのステアリングやステアリングコラムに生えている細いシフトノブなど独創的なデザインが印象的です。
ランボルギーニ・カウンタック&フェラーリ・512BB
こちらは、スーパーカー世代の2大スターです!
デビューから40年以上を経てもそのオーラは圧倒的です。
誰が見ても「ランボルギーニ」「フェラーリ」と分かる象徴的なデザインで、両車ともに現行モデルにそのDNAを伝えています。
逆に、両車のデザインの完成度が高いため、これを超えるモノを創造できていないともいえます。
ロータス・エスプリ
007のボンドカーとしても有名なロータス・エスプリ。
強烈なウェッジ・シェイプ(くさび型)が印象的なシンプルかつ力強いエクステリア・デザインは、イタリアの巨匠ジウジアーロの作品です。
同時代のジウジアーロ作品であるデロリアンなどとも共通項を感じさせます。
スーパーカーと呼ぶにはエンジン・スペックが少々ショボいですが(後にV8エンジンを追加)デザインの雰囲気は立派にスーパーカーしています。
ランチア・ベータ・モンテカルロ
これはかなりのレア車!1975年にデビューしたミッドシップ・エンジンのクーペです。
このクルマは、ミッドシップながらラグジュアリーというコンセプトで作られていました。
同時期にラリー競技をメインに開発されたランチア・ストラトスがあったため、ポジショニングが被らないように配慮されたものと思われます。
ただ、販売実績としては低迷しており、ランチアの中では異端といえるモデルなのかもしれません。
ロータス・エスプリと並んで、ジウジアーロ&ピニンファリーナの欲張りセット。
これらのリア・スタイルには、70年代の未完成さと80年代への繋がりを感じます。
ジャガー・E-Type
「やっぱり美しい!」という声しか出ない名車ジャガー・E-Typeもいました。
こちらは、シリーズⅢと呼ばれる最後期モデルです。
フロント・グリルが大きく網目状になっているのが特徴です。また、フロント、リアともにランプのデザインも変わっています。
E-Typeのデザインのハイライトは、リアからの眺めです。なんともセクシーなラインがたまりません!
この個体はコンバーチブルですが、着脱式のハードトップがセットされていました。
会場には、もう一台のE-Type(シリーズI)が来ていました。こちらは、オーナー様のレストア秘話をお伺いしたので、ぜひご覧ください。
日産・グロリア
A30型グロリア、通称「タテグロ」です。
通称の通り、縦目のヘッドランプが特徴的で、フォーマルさと適度なイカつさがアメ車っぽさを感じさせます。
特に、このゴールドのカラーリングとホワイト・リボンのタイヤとの組み合わせが日本車離れした雰囲気を醸し出していました。
この時はすでに「日産・グロリア」の名前で出ていますが、開発までは旧プリンスで行われたクルマです。
シトロエン・11CV
これは激レアなシトロエン・11CVです。私は実車を初めて見ました。
このクルマはトラクシオン・アバンと呼ばれており、エンジンの違いで「7CV」と「11CV」というモデルがありました。
トラクシオン・アバンとは、フランス語で「前輪駆動」を意味するなんともベタなネーミングですが、前輪駆動とモノコック・ボディの組み合わせをなんと1934年!に実現していたという驚くべきクルマです。
日産・セドリック
これは、初代30型セドリックの後期モデルのようです。
現代車と比べるとサイズこそ小さいですが、存在感のある佇まいです。
世代が異なりますが、前述のグロリアと比べるとデザイン・テイストがかなり異なります。こちらの方が、よりフォーマルで落ち着いた重厚感があります。
ナンバーを見ると・・・真の5ナンバーです!いつまでも大切に維持してほしいと思います。
トヨタ・2000GT
国産旧車界のビッグ・スターといえる存在です。
トヨタ2000GTは、謎のマルチタスク・メーカーのヤマハが開発を手掛けていたことでも有名です。
この個体は、珍しいゴールドのカラーに美しく磨かれたワイヤーホイールが映えます。
ロングノーズ&ショートデッキのエレガントなデザインですが、この日は近くにE-Typeが置いてあったので少しだけ微妙な気持ちがしました。
トヨタ・ソアラ
これは、1986年にデビューした2代目ソアラです。
その当時は丸くなったなぁと思いましたが、今見ると四角いデザインですね。
ただ、全体的にシンプル&クリーンなデザインは古さを感じさせません。特に、ウィンドウやドア周りのフラッシュサーフェス(平滑化)処理は現代でも通用しそうなほど見事です。
日産・240RS
シルビアをベースに開発されたラリー競技用の車両です。
後付け感たっぷりのオーバーフェンダーや大型フォグランプなどがガチの競技車であることを主張しています。
当時のラリー界は、アウディ・クワトロの登場により4WD時代へと突入した頃であり、やや乗り遅れてしまったモデルですが、FRのタフさを活かしてサファリ・ラリーでは活躍していました。
シトロエン・アミ8&アルピーヌA110
フランスのトリコロール・カラーを感じさせる並びです。
シトロエン・アミは名車2CVの発展盤として開発された大衆車。角形ヘッドランプを囲んだクロームメッキのパーツが、80年代以降の異形ヘッドランプを想起させます。
アルピーヌA110は、ラリーなどで活躍した旧車イベントには欠かせないスポーツカーです。現行A110はこの初代A110(ややこしい!)をオマージュしてデザインされていることが分かります。
トヨタ・スポーツ800
1965年にデビューした、まさに2000GTのミニチュア版のようなかわいらしいクルマです。
スポーツという名前ですが、大衆車・パブリカ用の水平対向2気筒エンジンを流用して積んでいました。
しかし、スペックなんかはどうでもよく、このキュートなデザインのスポーツカーを安く提供していた、ということに大きな意義があったと思います。
マツダ・コスモスポーツ
コスモスポーツは、国産旧車の中ではトヨタ・2000GTと双璧のスーパー・スターだと思っています。
未来的なデザインのカッコよさもさることながら、ロータリーエンジンの開発ストーリーといった背景も含めて夢のあるクルマです。
マツダのロゴ・マークは、時代ごとに紆余曲折で変わってしまいましたが、このクルマに付いているロータリー型のマークにはストーリーがあり、ブランディング目線で見ても残念に思えます。
戦後20年というこの時代にこんなクルマを創出していたという事実に日本の底力を感じます
アルファ・ジュニアZ
イタリアの名門カロッツェリア(デザイン工房)ザガート社が手がけたクルマ。
この特徴的なデザインは、同世代のシトロエン・SMに通づるデザインだなぁ、と個人的に思っています。
このクルマやSMがデビューした1970年くらいの時代に考えた未来カーという雰囲気がなんとも味わい深いです。
この時代のさまざまな試行錯誤の末に80年代以降のカー・デザインの発展があったのだと思います。
サーブ・ソネットV4
これは初めて見たというか、ネットで調べてしまいました。こういった出会いも旧車イベントの醍醐味です!
デザインは、お世辞にも洗練されているとはいえず、かなり実験車的なイメージを感じます。
世の中には、まだまだ知らないクルマがたくさんありますね。
ジャガー・XK120
我が家のXKの先祖ともいうべきラグジュアリーなクーペ。
車名のXKはエンジン形式名であり、120とは最高速度120マイル(193キロ)ということを意味しています。
XK120は1948年デビューなので、当時としては才色兼備の超スペシャルなクルマであったことは想像に難くありません。
ジャガーの中では、E-typeがルマンのレーシングカーの系譜なら、このXKはラグジュアリー・スポーツの系譜といえます。
XKは、途中に「XJ-S」を挟んでいましたが、セダンの「XJ」とクーペの「XK」に分けた方がブランディングとしては良かったように思えます。
全部見るのは大変なのだ。
次の会場を見てみましょう!
JA東京みどり
谷保天満宮から自転車で5分ほど走ると第1会場のJA東京みどりに着きました。
続いては、こちらの会場の様子をレポートします。
メルセデスベンツ・190E2.5-16
巨大なリアウィングが印象的なクルマです。
グループAレースのホモロゲーションのために製造されたモデルで、当時のBMW・M3とガチのライバルでした。
初期型は「2.3-16」だったので、これは後期モデルですね。
この車名は、190Eがモデル名(現行Cクラスの先祖)で、2.5リッターの16バルブエンジン搭載車ということを意味しています。
メルセデスベンツ・280SEコンバーチブル
これは珍しい、Sクラスの先祖となるW111系のクーペ・コンバーチブルです。
メルセデスの同じオープンカーでもSLとは一味違った迫力というかオーラを感じるクルマです。
内装もドイツ車というよりもアメリカンな華やかなデザインと仕立てになっています。
その佇まいは、ロールスロイス並みの「ただモノではないぞ」オーラを放っています。
いすず・117クーペ
ジウジアーロデザインの名車117クーペ。
丸目4灯の前期型ですが、さすがに初期ロットの通称・ハンドメイドではありません。
子供の頃はスーパーカー・ブームだったので、このクルマの良さが分かりませんでしたが、デザインを勉強しているとこの良さが分かりました。
117は、後期型で角目4灯になってしまいましたが、やはり丸目の方が全体のデザインにマッチしています。
ロータス・ヨーロッパ
これは、スーパーカー・ブームの名バイ・プレイヤーといった感じでしょうか?
F1でお馴染みだった黒+金のJPSカラーがオールド・ファン泣かせの仕様です。
丸く低く構えたフロントが魅力のデザインですが、リアセクションがトラックっぽいデザインなのはご愛嬌。
ホンダ・シビック
1972年に登場した初代シビック。これは、後から追加されたスポーツモデルのRSです。
今見ると本当にかわいらしいクルマです。インテリアもシンプル&クリーンで80年代を先取りしたような良いデザインです。
今や軽自動車ですらオラオラ系になってしまったホンダも原点回帰してほしいものです。
以上、駆け足でご紹介してきましたが、これでも参加車のごくごく一部です。
いよいよ旧車が走るのだ。
イベントのクライマックスです!
3.近乗会レポート
午後2時からは「近乗会」と題して、旧車たちが街中に繰り出します。
国立駅から南下する「大学通り」という並木の綺麗な大通りを参加車が自由に走ります。国立駅と谷保駅のロータリーを回って往復しているクルマもいました。
パレードにすると交通規制などになってしまうため自由走行にしていると思われますが、レア車が一般車両に混じって街中を走ります。
普段では絶対に見かけることはないシュールな光景も見られます。
以上が「谷保天満宮旧車祭」のイベント・レポートになります。イベントの楽しさや臨場感が少しでも伝われば幸いです。
イベントは楽しいのだ。
今後もイベントをレポートします。
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